お絵描きホーホー論

理屈で絵が描ける事を証明する、徹底考察お絵描き研究

うろ覚えポケモン描けるかな? 〜第1フェイズ「うろ覚え」〜

うろ覚えポケモン描けるかな? 〜第1フェイズ「うろ覚え」〜

 絵を描くのが下手だということの多くは、上手く描けないという以前に、何をどう描いていいのかが分からないのがほとんどだと思う。人体デッサンの狂いも、関節などの立体感を表現する際の線の描き方が曖昧だからおかしなことになってしまう。キャラの顔のパーツならある程度見慣れているから自然な感じに描けるが、関節や細かい凹凸はうろ覚えなので自信を持って描けない。

 だからと言って、全ての形状を精密に暗記するというのも無理難題なので、できれば楽しみながら着実に前進できる方法から考えようと思った。だとしたらまず第一歩は誰でも絶対にできる「たぶんこんな感じだったはず」レベルでスケッチするところから始めるといいのではと思った。うろ覚えとは、過去の経験をかろうじて記憶している状態で、言い換えれば一度は経験を積んでいるということになる。その些細な経験をベースにして、その上に情報を積み上げていく方法でスケッチの精度を上げていく。何はともあれ、まずはうろ覚えで描く。

 そして今回のうろ覚えデッサンの題材として選んだのがポケモン。モチーフが豊富にあり、ほどよく単純化された、そして昔から親しんできたもの。ちなみに最近のシリーズはポケモンの数も増えすぎたし、進化系も複雑になって覚えきれてないので、無印ポケモンの151匹で実験してみた。ちなみに筆者はポケモンにどハマりしていた過去があるのでポケモンに対するイメージは豊富にある。ポケモンのイラストを描いたこともある。でももうそんな覚えてない。ちなみにポケモンのイメージの元になっているのは、ポケットモンスター赤、ポケットモンスターエメラルド、ポケモンスタジアム、ポケモンコロシアム、アニポケ第三世代まで、ポケットモンスターSPECIAL、ポケモンカード、ポケモンスタンプ、メタルコレクション、その他グッズなど、子供の頃に2Dや3Dから立体まで慣れ親しんでいる。記憶の鮮度も重要なポイントだと思うので参考に。

みんな大好き「ポケモンうろ覚え描けるかな?」とは

 ほんの思いつきで始めたラクガキ「ポケモンうろ覚え描けるかな?」。その名の通り、ポケモンのイラストなどを見ずに記憶だけを頼りにポケモンのお絵描きをするネタで、元ネタはふしぎないきものことイマクニ?氏による『ポケモンいえるかな?』と『ポケモンかけるかな?』というのは言うまでもない。ネットにもその類の動画が大量にあるのを見ると皆「うろ覚えポケモン描けるかな?」が大好きなようで。ただ、福笑いの様に変なポケモンが描けて楽しかったねぇで終わらないのが理屈人間の性。うろ覚えで描くということは曖昧な記憶を模写するということなので、この仕組みを解き明かせば画力向上の理論化や、上手い絵描きの思考をトレースできるかもしれない。

 この「ポケモンうろ覚え描けるかな?」を実験として行うにあたって、ある程度の仮説を立てながら実験方法を考えないといけない。一度に全てのデータを取ろうとしても対象のポケモンを無印の151体に絞ってもかなり時間がかかるので、とりあえず実験工程を3段階に分けて気が向いた時にゆっくり進めることにしてみた。それぞれ第1フェイズは一切何も参考にせずに昔見たゲームやアニメや漫画を思い出しながら記憶だけで描くうろ覚えスケッチ。第2フェイズはうろ覚えで描いたポケモンの「これじゃない感」を改善するために、ポケモンのイラストを避けて本物の動物の画像や、ジャック・ハムの『動物の描き方』を参考にして「こんな感じ」レベルにまで修正する段階。第3フェイズはポケモンのイラストを見て答え合わせしながら、さらに自分なりの記号化を施して自由に描けるレベルに持っていく段階。第1と第3はほぼ単調作業なので、この実験の要となるのは第2フェイズの「脳内イメージの再現」の過程で起こったことをいかにして文章化して理論化するかだと思う。

 最大の目的は、脳内イメージを紙の上に転写する工程を理論化して、知識さえあれば色々な絵が描けるようにすること。もしそれが達成できれば、その次からは知識の集め方や、模写の精度を上げる技術や、創作の仕方などを突き詰めていけば、特に努力せずに自由に絵を描くことができるようになるはず。

これじゃない感あふれるポケモンたち

 数年前に絵を練習し始めてからはあまり下手な絵を描くと泣きたくなるのでそういうのは避けてきたけど、この実験はそれが許されない。本当にヘッタクソなポケモンばかり描かされる羽目になったが、そういったことは絵が上手くなるためには必要な経験なんだと、なんとなくそう思った。上手くなる方法ばかり勉強するより下手に描いてしまう理由を知ることの方が、絵を描く行為そのものについて掘り下げることができた。上手くなる方法とは、既にだれかが発明した手法を再現できるようになることや、いずれ上手くなるであろう練習の取り組み方など、あまり深く考えなくても実践できてしまう。下手に描いてしまう理由とは、脳内イメージと違う絵を描いてしまう現象だったり、自分に何が足りないのかを知ることだったり、全て自分の能力に関する事実が明かされることに繋がる。

うろ覚えうろ覚え描けるかな?

 このうろ覚えポケモンは、当然うろ覚えで描いたというのもあるけど、すき間時間のあまり集中できない状況でポールペンで一発描きしているので、目をつむってじっくりイメージしたりアタリを試し描きしたりできていない。似ているものもあれば、ブサイクなものもある。実在する動物に近いデザインのものは違和感が大きくなる傾向にあるらしい。ピカチュウや御三家のように見慣れているポケモンや、単純な図形の組み合わせで描ける虫ポケモンや草ポケモンはそれなりに描けるらしい。描ける描けないに関わらず、脳内にイメージしたものをそのまま紙の上に転写しようとする行為は良いトレーニングになったと思う。イメージでは本物そっくりなのに描いてみたら違和感があるという場合、どこがどう違うのか分析する作業も楽しい。正解と離れたとしても違和感のないデザインに行き着く場合もあって、観察しがいのある実験だと思った。

 似ない、違和感がある理由を考えると、生物的な骨格のデッサンが間違っていたり、ゆるキャラ的な記号化を間違っているというのがほとんどだった。そのポケモンの雰囲気だけならある程度特徴を捉えることはできていた。描くときに一番悩んだのは、脚の付き方だった。やはり骨格の関節や頭身や凹凸といった、あまり印象が強くない部分でデッサンの狂いが多かった。デフォルメされた二足歩行ポケモン、実在する動物のような四足歩行ポケモン、鳥ポケモンの四肢、そのあたりを事前に勉強しておけばもっと楽に描けたはず。あとはポケモンそのものの細かいデザインを参考にするだけなので暗記しきらなくてもいいと思う。

 第2フェイズでは、動物の骨格の勉強、もっと鮮明に記憶を再現する努力、記憶の絵の関係、このあたりに注目しながらポケモン1匹1匹、全151体を納得いくまで「うろ覚え描けるかな?」やろうと思う。下はTwitterでリアルタイムでやってる観察記録。

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